これまで海外トラブルと称して少ないながらも体験談を中心に記事をアップしてきた私ですが、その影響か「海外で身の危険を感じたコト」について問い合わせをいただくことが多くなってきています。
私自身もそんなに経験豊富というわけではないので、返事には毎回苦慮していて“適切な対応ができていないよなぁ”って、感じてはいるのです(苦笑)。
思えば、このブログで“トラブル”と言いながらも旅行予定が狂ったり、あるいはお金を失ったり等と割と軽度なモノが多く、身の危険を感じる経験の記事と言えばマレーシア滞在時にホテル火災に見舞われた記事くらいでしょうか。
しかし何と言っても「身の危険を感じた経験」と言えば、私にとっては「銃口を向けられたとき」ではないでしょうか。
これまで3度ほど銃口を向けられたことがあるのですが、やはり気分の良いものではありませんし正直“終わった”と感じた瞬間でした。
参考になるかどうかはわからないのですが順番に紹介し、その時に得た私なりの“教訓”を残しておきますね。
まず1つめなのですが、アメリカでレンタカーを借りて滞在していた時のお話です。
南部だったということもあり治安はアメリカの中でもよい方ではない地域で、車を借りる時にも車上荒らしに気を付けてねと言われていたのです。
その助言もあり、パスポートなど貴重品が入っているカバンはトランクに収め移動していたのですが、これが災いしたのでした。
ある日、警察の検問に遭遇し職務質問を受けた私は、国際免許とパスポートの提示を求められたのでした。
これらはトランクのカバンの中にある旨を伝えると、取り出して見せるよう警官に支持されたのでした。
車を降り後ろ側のトランクに回った私を2人の警官が銃口を私に向け見守る中でトランクの取っ手に手をかけトランクを開いた瞬間、『カチッ!』という空砲(?)というか、引き金を引く前にけん銃の後ろ側のヒンジのような金具を引く音がしたのでした。
けん銃や爆発物を忍ばせていていることを疑われているので、自らカバンを開けパスポートと国際免許を取り出し検問を終え何とか事なきを得たのでした。
ちょっぴりチビった私に銃口を向けたまま警官の1人は詰め寄りパスポートなどを確認しますが、も1人のほうは少し離れた場所から私をロックオン。
後から現地の知人に聞いた話ですが、もし撃たれ命を落としても目撃者がいなければきっと遺体は闇に葬られ「邦人の行方不明事件」程度で片付けられていたことだろうと言うことでした。
この経験で私が得た教訓は次の通りです。
『身分を証明するものは肌身離さず持っておくべし。トランクに物を収めるのは車を離れるときだけのほうが無難。』
まぁ、ケースバイケースでしょうし全ての状況に当てはまるとは言えないと思います。
でも、命を落とすよりはパスポートや現金を奪われるほうがマシですよねぇ。
そして2つめなのですが、こちらは中国北京での出来事。
北京でも外国人が多く集まるバーなどが立ち並ぶ三里屯(サンリートン)エリアで遊んだ帰り道の出来事。
タクシーを拾うまでもない距離に宿を取っていたのでトボトボ歩いてホテルを目指していたのですが、飲み過ぎたせいか途中で用を足したくなった私は、街灯のあたらない薄暗い茂みに駆け込んだのでした。
ちょうど“お誂え向き”な壁を発見し、そこへ向いて放水開始。
溜まっていたせいもあり勢いよく放物線を描きながら壁に軌跡を描いていたのですが、背中に違和感を覚えたのでした。
放水作業しながら背中越しに後ろを見ると軍服を着てライフルを持ったお兄さん、その銃口が私の背中に当てられていたのでした。
私が軌跡を描いていた壁はオーストラリア大使館の塀で、軍服のお兄さんは警備員(警備兵?)だったのです。
出ていないときにはチビるくせに、出ているときには止まってしまう私の我がままな愚息。
状況が把握できた時には意識することなく放水作業は中断されていました。
背中から真顔で私に問いかけてくるお兄さんなのですが、中国語なのでよくわからないのです。
うる覚えの中国語である「対不起(トイプチー)」という「ごめんなさい」を繰り返す私に微動もせずに銃口を向けているお兄さん。
放水を中断したホースをしまうこともできず北京の寒空にさらしたまま両手を上げ許しを請うのですが、どうやら許してもらえそうにない様子。
しばらく硬直状態な2人でしたが、沈黙を破ったのはお兄さんのほうでした。
「100元出せ!」
英語しゃべれるじゃんよ、と思いながらも金で解決するメドが立った私は安堵したのでした。
が、愚息を収め込み財布を取り出し100元を取り出そうとした私にお兄さんはこういうのでした。
「いや、もっとだ。300元よこせ!」
明らかに私の財布に収められているお札の数を確認してからの発言でした。
それに気づいたものの、圧倒的に形勢が不利な私は従わざるを得ませんでした。
結局は300元を手渡し無事釈放となったわけですが、「洗っていない手で渡したったわい」というささやかな満足感と共にお兄さんと別れたのでした。
この経験から私が得たコトは次の通りですね。
『どうせ立ちションするなら堂々とやる。財布に全財産を入れておくことは避けるべき。』
当時の中国、至る所で老若男女と問わず道端で用を足している光景を目にしていたにも関わらず、変な日本人気質を出した私の反省点ですね。
“郷に入れば郷に従え”でよかったんだと思います(苦笑)。
これら今回紹介した2件は、一応“仕事上で銃を所持できることが許された相手”とのやりとり。
所持できるんですから引き金を引く権利も持っているんでしょうし、彼らに逆らうのは得策ではありませんよねぇ。
今思い出しましたが、3つめは既に記事していましたねぇ。
こちらは、普段銃とは無関係な生活を送るべきタイのお姉さんの部屋での出来事。
冷静になって考えると、むしろ素人相手なだけに、こっちのほうが危なかったのかもしれませんなぁ。
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この記事へのコメント
alfa
銃口を向けられた経験はないが、今から40数年前シカゴのコンラッドヒルトン滞在したときの廊下の銃撃戦は怖かった。この二日後にはニューヨークハーレムの夜の散歩に出かけたが拍子抜け、ハワイの米軍基地に間違って入り込み大目玉を喰らった事もあったかな。
今は近所に試射場があるので毎日のように銃声を聞いております。
かる
いえいえalfaさんこそ、貴重な経験をお持ちで御見それいたしました。
銃撃戦まで経験されたとは。。。確かにニューヨークは、評判ほど危なくないですよねぇ。フィリピン当たりの裏路地の方が身の危険を感じてしまいます。
現在インドに潜伏していてネット環境が最悪なのです。
明日からは別の田舎町巡業ですので、更に劣悪な環境になるのではないかと危惧しているところなのです。