田舎生活も完全撤退の様相を呈してきたある日、馴染みのおばちゃんから「カオ ラム（Khao Lam）作るんで食べにおいでよ、娘も帰省してるしね」と誘われた私。
特にすることもないタイの田舎、“娘も帰省しているし”の言葉に誘われいそいそとおばちゃんのお宅に訪問したのでした。
このおばちゃんは農家なのですが、道端で“ガイヤーン（鶏のバーベキュー）”やら“カオ ラム（竹おこわ）を売ったりして小銭を稼いでいて、私はそこに立ち寄りローカルスタッフへの手土産がてらいろいろ買っている所謂”乗客“と呼ばれる金づる的な存在。
どうせ明日の仕込みのついでに“カオ ラム”でも作るんだろうなとは知りつつも、久々の彼女の娘との再会に少し胸を躍らせて車を走らせたのでした。
皆さん、“カオ ラム（Khao Lam）”ってご存知でしょうか。
道端でよく見かけるこれが“カオラム（Khao Lam）”という“竹おこわ”ですね。
下のほうに紹介記事のリンクを貼っておきますので、興味のある方は覗いてみてくださいな。
娘のほうと会うのは何年ぶりだろう・・・。
初めて会った時の彼女はまだ中学生で、その後は地元の高校を卒業しバンコク郊外の大学に在学中。
大学入学祝にスマホを買ってやりLINEで連絡先を交換しバンコクで飯でもおごることを約束はしたのですが、いかんせんスマホ慣れしていなかったのでしょう、すぐに壊してしまったようで、白黒のNOKIAのガラ携に逆戻り。
時々ショートメッセージは来ていたのですが、私がタイ国外にいる時には連絡取りにくかったこともあり徐々に疎遠に。。。こうして私の『（娘の）友達を紹介してもらう作戦』は失敗に終わっていたのでした。
おばちゃんの家に到着すると、既に調理は始まっていました。
道端で売っているのはよく見かけてたのですが、地面にぶっ立てて焼くんですねぇ。
私に気づき駆け寄ってきた娘、“よくぞここまで育ってくれた”と、その昔ながらの屈託のない笑顔にいつもの下心とは別の何か親心みたいな感情を覚えたのは、まだ私が“まっとうな人間”だったということなのでしょうか。
どうやらバンコクから友人を2名連れてきていて、彼女たちはもっと奥地へ帰省するので今晩はここに泊まるのだという。
いやぁ、正直1人はハズレだが、片方はカワイイ・・・なんとかカワイイほうだけでも私の部屋に泊めてあげたいなぁ。なんなら、おじちゃんが明日家まで送って行ってあがてもよいのだが。。。
彼女を見て“まっとうな人間”が影を潜めてしまった私なのでした。
しかも、おばちゃんからは「娘に手を出しちゃダメよ！」と釘を刺される始末、どうやらこの辺りでは“手が早い”ということになっている様子。
私的にはあくまでも“サービスに対する報酬”を支払っていただけなのですがねぇ、彼女たちも喜んでたし。
一度はときめいたのですが、すっかり意気消沈な私。
というのも、酒飲みの私はあまり甘いモノを口にしないのです。日中はまだしも特に暗くなってからは酒のツマミになるようなものしか口にしません。
軒下で彼女らを眺めながら、いつものようにツマミをビールで流し込みながら勝手にテレビを点けてムエタイ観戦。
すると、おばちゃんの旦那が登場し私の持ってきたビールをグビグビやり始めながらテレビに噛り付きます。
旦那のほうも顔見知りなのですが、どうやらビール飲みたさに私を呼んだのは旦那の発案だったようでした。
表では娘たちがキャッキャ言いながらカオラムをこさえていた声が収まり、少し静かになったのに気づき近寄ってみることに。
やはり頬張るのに忙しく、おしゃべりどころではない様子。
中に入り会話を試みるも全くもって相手にされない私、ふった話題がどうも長続きしないのです。
“こりゃダメだ・・・”と思ったときにカワイイお姉さんのほうが取り出したスマホ、SNSで誰かとやりとりをし始めたのでした。
“おっ、そのSNSアプリは俺も持っているぞ！”
チャンス到来、なんとか彼女と連絡先を交換し“お友達”になることができた私。
これで来た甲斐があったというもの、意気消沈していた私に一筋の光が見えてきたのでした。
こうしてお姉さんの連絡先をゲットした私はそそくさと部屋へ帰ることとし、邪魔者を抜きにして“対話型交渉”の始まり。
返信はないものの一方的に私のほうから幾つかメッセージを送信していると、電話がかかってきたのです。
しかし、電話はお姉さんではなく、おばちゃんのほうから。
彼女はこう言って、声高な笑い声とともに電話を切ったのでした。
「タルーン メダイ ネ（スケベ ダメネ）。ハハハ。」
”まだ早よう寝んかいかい、ばばぁ！！！”
どうやら私の行動は皆にお見通しだったようで、私が去った後に連絡が入るかどうか賭けていたようでした。
まんまと罠にハマったわけですねぇ、当然お姉さんから返信がくるわけもないのでした（笑）。
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