出張者は注意が必要かも。タイの入国/滞在管理がまた厳しくなる気配

タイの入国カードに“滞在先”の記入をしつこく督促されるようになってから結構経ちましたが、また外国人というかビザ無し入国者を対象に何か厳しくなるルールが検討されているという情報を耳にしました。
数年前には、ラオスやカンボジアへの“日帰りビザラン”によるタイ滞在を容易に延長できる仕組みに規制が入りましたし、何か軍事政権になって以降のタイではこの手の規則が厳しくなろうとしている気配を感じざるを得ませんよねぇ。
私も頻繁にタイへは滞在するものの、所詮は出張者ですのでこの手の話題は気になります。

今回厳しくなるであろうと言われている対象は、

『ビザ無し滞在者のタイ国内での労務行為』

ということですが、これってどうやって取り締まるのでしょうね。
ご存知のように私達日本人は、通常ビザなしでタイへ30日間滞在できます（ABTCでは90日）。
しかし、就労行為が認められているわけではありませんので、就労を伴う行為が例え１日であっても届け出が必要というのが建前上のルール。
本来は、「15日以内の緊急業務届（WP10）」というものを提出する必要があるのですが、あまり脚光を浴びていませんよね、無視している出張者が殆どではないでしょうか。
じゃぁ、“就労行為”とはなんなのでしょう？
少し調べてみると下記以外の出張は、労務行為とみなされ「15日以内の緊急業務届（WP10）」の提出が必要です。

（提出が不要な行為）
1.会議、打合せ、セミナーへの参加
2.展示会、見本市への参加
3.商談
4.学会や講演への参加
5.展示会などで商品などを購入する目的

やっかいなのは、この「15日以内の緊急業務届（WP10）」の有効期限が15日で、失効後は再入国しないと再交付してもらえないということです。
エンジニアの方は上記に該当することはすくないでしょうし注意が必要ですね。

一方でABTC（APECカード）所有者では、どうなるのでしょう。
ABTCを使って入国するということは、『私は仕事でタイに来ました』と表現するのと同じですもんね。
こちらは1回のタイ入国で90日ほど滞在期間がもらえるのですが、ABTC所有者としてサポートしている業務範囲は次の通りですね。

（ABTCの許されている業務範囲）
1.商談、投資
2.業務連絡
3.市場調査
4.（納品後の）無償アフターサービス

ここでのポイントは、何と言っても「4」ですよねぇ。
エンジニアの方々は、これを「盾」に滞在ができる可能がありますし、最悪指摘されても「勘違い」してたと言えるかもしれません。
しかし、どれも該当しないケースだと「15日以内の緊急業務届（WP10）」の手続きがやはり必要。
そうなってくるとタイの滞在可能期間がぐっと制約を受けることになるようです。

私の知人はビザなしでタイに工場立ち上げの目的で滞在している時に、移民局を名乗る団体に押し入られ危うく連行されそうになったことがあります。
その時は賄賂20,000THBで乗り切ったのですが、当然彼らはリピーターとして時々私の知人を訪れるようになったのは言うまでもありません。
インドネシアなどでも、ABTCを持っていても工場などに出入りするには別途ビザが必要でしたし、このあたりが「就労」の境界線なのかもしれません。

今後どのような形で「外国人の“タイ滞在”」の管理が変わろうとしているのか、しばらくの間は注視しておく必要がありそうですね。
想像するにミャンマーやラオスなどから“安い労働力”が流入するのを規制しようとしているのではないかと思うのですが、そうであれば日本人だけでも大目にみてくれないかなぁ。。。これが、私の正直な感想ですが。

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