タイの田舎生活の日曜日。たいしてする事もないので雨が降らなければ早朝魚釣りが恒例行事の私。
この日に限って、二日酔いのせいか朝寝坊。
いつもなら日の出とともに狩猟に出かけるのですが、時間はすでに８時を回ってしまってます。
“今朝は止めとこうかなぁ”
とは思いましたが、特にやることもないのでいつもの野池へ足を運んだのでした。
釣り場に着くと、すでに顔見知りの牛飼いのペーターが牛を連れて、（私の釣り場の）牛の行水の真っ最中。
普段だったら、ペーターが来たら釣りを止めて引き上げるのですが、今日はどうやら寝坊したせいで順番が入れ違ってしまったみたいです。
ちなみにペーターとは、私が“アルプスの少女ハイジ”から引用した彼のニックネームで、彼の本名は“ソンポン（Somphong）”といった至って平凡なタイの田舎オーラ満開の成人。
「おっ、今来たのか。今牛たちが水浴びしたんで今日の魚釣りは諦めな！」
ペーターは、身振り手振りで私にアピール。
いやいやこの光景を見て、誰も釣り竿を出すアングラーはいないでしょう。。。牛を釣るなら話は別ですけど、村田基先生でもきっと諦めると思いますよ。
とはいうものの、せっかくここまで来たので隣のサトウキビ畑から一本失敬して“朝の一番搾り”でも堪能しようと畑に入ってサトウキビをガブリ。。。これ、実に旨いのです。私の超オススメなタイ料理（？）ですねぇ、バレなければタダですし。
一通り満足して戻ってみると、ペーターと牛たちはすでにどこかに姿を消していて池にはいませんでした。
しばらくすると釣竿を抱えた一行がこの池で釣りを始めるのが遠目に見えたのですが、
“ここでも釣れるわけないじゃん”
と思いつつも、帰ってもたいした予定もない私は隣の畑から失敬したサトウキビをすすりながら彼らをしばし眺めていました。
すると彼らの竿に何かがヒットォォ！！！！しかも何か大物みたいな雰囲気。
大物が釣れること予言していたのかランディングネットなで用意しているではないですか。
慌てて駆け寄る私、連れたのはたぶん鮒の仲間。しかし、でかい。。。この池で鮒を見るのは初めて。
大物を釣り上げたご一行、釣りを続けるのかと思いきやそそくさと釣り道具をしまい始めます。
不思議に思い尾行することにしたのですが、彼らが向かった先は私が物々交換しているいつもの養鶏場でした。
私がいつもお世話になる台秤で“計量タイム”。
まじで結構大物だったのですが、鮒は骨が太くて美味しくないという理由で、あえなく交換できた鶏は1羽。
“貢ぐ魚種で交換レートが変わるのか。。。”
普段私はルアー釣りがメインなのでここへ持ち込むのは雷魚かナマズ、ときどき餌釣りでパクー。
これらの魚たちは、トムヤム（TomYam）などに入れても用途が多彩で人気な魚のようで交換レートは高めに設定されいてるみたいです。
一方、彼らが釣って持ち込んだ鮒はタイでもあまり人気がない様子。
意気消沈で鶏１羽と退散するだろうと思っていた彼らですが、以外にも喜びながら鶏をぶら下げて姿を消していったのでした。
日本では一生のお目にかかれないくらいの大物だと思うのですが、タイでは鶏一羽の価値もない鮒って。。。釣られた鮒に同情しながらも、私が趣味がてら釣っている魚たちに感謝する日曜日でした。
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